独り立つ古木の影にシャガの花

 
最初は、上の句を作ってみたが、撮った写真を見ると「影」は「光」の影に隠れてしまった。「写生」を忠実に守るべきなのか、カメラに飛び込んできた「真実」に従うべきだろうか。「光」と「影」の境界線はどこにあるだろうか。
  
 独り立つ古木の下にシャガの花   
 
 
しばらく佇んでいたら、一輪の花が優雅な舞を踊り始め、どこかに消え去った。
 
 白蝶だった。

 辞書で「シャガ」を調べると「射干」、「胡蝶花」が出たが、群生している胡蝶花に囲まれている古木はいったいどんな夢を見ていただろう。


 白蝶の空を舞ひ舞ふ荘子の夢